四季を愛で、旬の肴と美酒で過ごす豊かな時間。

茶道や華道には、培われてきた伝統と工夫で洗練された独自の文化や楽しみ方があります。
日本人は古から四季折々の変化を愛で、ともに暮らしてきました。そこには茶道や華道のように独自の文化や楽しみ方が生まれ、いつもそばには日本酒がありました。私どもではそんな気候や風土に根ざしたお酒の楽しみ方を「酒道」と呼びたいと思います。このコーナーでは四季を通じたお酒の楽しみ方をご提案します。移ろい行く季節の中で傾ける旨い酒と美味しい肴。
さあ今宵は、どんな珠玉な一献で豊かな時間を過ごしましょうか?

春を愉しむ、春の膳。名倉山鍋をかこんで、華やぎの一献

会津に春、到来。
里山の味をたんと召し上がれ!

すべてをやさしく包みこむ会津の冬──。雪どけとともに訪れるうららかな春もまた、会津人が愛すべき季節です。この春、名倉山酒造と創業70年余の伝統を誇る料亭「米熊」の夢のコラボが実現しました。その名も「春の膳」。すべての人に会津の春の華やぎを感じてほしいと命名された膳には、地元で採れた筍、ウルイといった山菜をふんだんにつかった料理がならび、日本酒にもよく合うと評判の郷土料理「鰊の山椒漬」が添えられます。板長の板橋雄一さんの技がひかる酒菜七種は、まさに日本酒とともに春をいただくといった風情があり、話も軽やかにはずみます。

鍋と日本酒の最高の出逢い。
酒粕豆乳しゃぶしゃぶ「名倉山鍋」

春の膳の中で、だれもが膝を打つ一品が「名倉山鍋」と名付けられた酒粕豆乳しゃぶしゃぶ。名倉山酒造から直接取り寄せた大吟醸の酒柏が入った鍋は、ひとことで言うとヘルシーで上品。酒粕が豚肉をいちだんと柔らかく、ほんのりと甘く、まろやかな旨みへと変えるのは、春の風がまねく最高の贈りものと言えそうです。その「名倉山鍋」と相乗効果を表すのがにごり酒「原蔵」。にごりのオリの部分の細かくなめらかな舌ざわりが、出汁と同化し自然にとけこみます。そこに原酒の濃厚な甘さ・アルコールの強さがインパクトを与えます。
「『春の膳』は料理と日本酒の夢の出逢い。どちらも主役です。食欲をそそる酒粕の香りと、名倉山さんの『純米吟醸酒・月弓かほり』のフルーティな香りは、どちらも個性をしっかりと主張できる奇跡の組み合わせ。これほど相性が良いとは正直思いませんでした」と米熊のご主人伊藤幸治さんも満面の笑みを浮かべます。

愛情たっぷり、だからおいしい。
こころも躍る「春の膳」

酒粕は料理の下ごしらえや隠し味などでよくつかわれますが、量とタイミングを少しでもまちがうと料理自体の風味をそこなってしまうため、料理の世界では“諸刃の剣”ともいえる繊細な食材。「バランスには最新の注意を払いました。でも、さいごは愛情ですね!」と話す板長の板橋雄一さんも、名倉山鍋の味に太鼓判。こころも躍る「春の膳」といっしょに会津の銘酒を愉しむ。気のおけないあの人と、この贅沢をぜひ──。

今回のおすすめ!酒粕をつかった「名倉山鍋」

●家庭でもできる簡単レシピをご紹介。

[4人前]

  1. 鍋の出汁、練り粕150グラム、昆布出汁450cc、豆乳450cc、塩少々を合わせる。
    ※練り粕が無い時は板粕150グラムでも代用できます。
    ※酒粕はすぐに溶けないので、前の晩から昆布出汁につけておく。
  2. 豚肉500gをしゃぶしゃぶのようにスライス。具材は、タケノコ、ウド、タラの芽、ウルイ、白菜、三つ葉、ネギ、シイタケ、エノキダケ、キクラゲなど。
    ※さっと食べられるように野菜も均等に薄くスライスしておく。
  3. あとはポン酢でいただきます。薬味にはネギと大根おろしがおすすめ。鍋のあとには、うどん、餅、雑炊にしてもおいしくいただけます。

★ひとことアドバイス

名倉山鍋は酒粕が入っていてもアルコール度数が強くないので、お子様も大満足。大人だけで楽しみたいときは、鍋に日本酒を少々。豚肉がワンランク上のおいしさにアップ。一度たべたらやみつきに!


「春の膳」メニュー


先付/蛍烏賊と蕗の昆布〆、生海苔、生姜
酒菜七種/栄螺の山葵和え、水雲酢、桜海老釜上、筍木ノ芽味噌掛け、千枚大根梅真砂子包み、鰊山椒漬、丁呂木
造里/鮪、帆立貝、寒八、剣一式、山葵


[名倉山鍋]
酒粕豆乳鍋しゃぶしゃぶ、豚ロース、野菜色々、ぽん酢


焼物/メローの酒粕味噌焼
中皿/酒粕グラタン、魚介色々
揚物/白玉団子クリームチーズ包み利休揚げ、酒盗、すだち
鉢肴/豚の角煮
酢物/公魚の南蛮漬
珍味/鯛白子
食事/筍御飯
汁物/小汁
水菓子/甜瓜、苺

料亭 米熊(よねくま)

古き佳き会津のおもてなしのこころとこだわりの味を受け継ぐ創業70周年の料亭。風情ゆたかな旧家老邸に囲まれた庭は、まちなかであることを一瞬忘れてしまうほど、静ひつな空間が広がっています。うつくしい風景をのぞみながら、四季折々の旬の食材を活かした絶品の料理を堪能する。和やかなひとときを、こころゆくまでお楽しみいただけます。

営業時間/昼・午前10時~午後2時 夜・午後5時~午後10時(不定休)

〒965-0871 福島県会津若松市栄町7番49号
TEL 0242-22-0399
http://www.yonekuma.com/


名倉山酒造社長 松本健男さん(向かって左)、米熊主人 伊藤幸治さん(中)、板長 板橋雄一さん(右)